「サメ」作品情報

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サメ

「サメ」解説
‘あるひとりの男がサメをかついで猛暑の都市の中をさまよう’というワンフレーズで始まる映画『サメ』は05年ソウル独立映画祭開幕作に選ばれ、本来なら青い海で生命あふれるように泳ぐべきサメが、煮えたぐったような暑さの都市の中で腐っていく過程を描いた作品。

これまで島を出たことも無く、恋愛をする女性が今いるわけでもない、島に暮らす純情なヨンチョルは、ある日釣りをしていると一匹の白いサメを釣りあげた。これを友達のジュングに自慢しようと、サメをかつぎテグという都市に向かうが、生きる目的を無くし、その日暮らしのジュングは、ヨンチョルからの連絡を無視する。

そんな友達のせいでヨンチョルが公園で待ちぼうけをしていると、刑務所をたった今出所したばかりで行く手がないヨスに出会う。会いたい人がいる様だが会いに行けないという彼と言葉を交わしていると、公園の中央に立って雨が降るのを待ちわびる、気が狂った女性、ウンスクがヨンチョルの白サメに向かい飛び掛ってきた。

彼女は10代の頃、性暴力を受け精神を病んでしまい、それから妊娠したものの雨が降る日に子供は死産してしまったという。だから雨が降れば子供に会えると、雨が降る日だけをただ待ち続ける彼女は、ヨンチョルがかついでいた腐っていくサメの悪臭を、自分の死産した子供の臭いだと信じ込み飛び掛ってきたのだった。

友達には会えないし、横に居るのは今日始めて会った人だし、気の狂った女性の行動にはには度肝を抜かれるし・・・。こんな風にひょっとした出会いから生じた浅い人脈の中で、あれこれしている最中にも、白サメは刻一刻と腐っていくのだった。

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